マツヤデンキ富良野店(中野商事株式会社)

【所在地】北海道富良野市緑町1番17号 【TEL】0167-23-3145 【事業内容】家電製品の販売

何でも頼られる存在を目指して

これからも地域密着。面倒見のいい、まちの電気屋さん

店舗はドラッグストアやスーパーなどが集まる国道38号沿い。地域密着の店づくりを大切にした、頼れる電気屋さんだ

店舗はドラッグストアやスーパーなどが集まる国道38号沿い。地域密着の店づくりを大切にした、頼れる電気屋さんだ


今、電化製品はインターネット通販やテレビショッピングでも買える時代。いつ、どこでも買い物できるけれど、困ったことや分からないことをじっくり相談できる場所は限られてきた、と思う。

その役割を担ってきたのが、“まちの電気屋さん”。
お互いの顔が見えるお付き合いだからこそ、「リモコンの使い方が分からなくて」「この前買ったパソコンなんだけど…」と、些細なことでも気軽に聞ける。そんな昔からの良さを大切にし、地域に愛され続けているのが「マツヤデンキ 富良野店」だ。

「将来的には家の困りごと全般の相談に乗っていきたい。まずは家電9割、それ以外は1割、を目標にしています」と、中野社長

「将来的には家の困りごと全般の相談に乗っていきたい。まずは家電9割、それ以外は1割、を目標にしています」と、中野社長

この店を営む中野商事株式会社の歴史は、現社長・中野義弘さんの祖父の代にさかのぼる。昭和9年に富良野でミシン屋を創業し、「次は家電の時代が来る」と昭和26年に家電製品の販売店へ。父の代の平成8年にはマツヤデンキとフランチャイズ契約を結び、店舗を現在の場所へ移転、拡張した。

以前は店頭に立ち、夫婦で店を切り盛りしてきた中野社長のお母様。今は事務仕事を担い、店を支えている

以前は店頭に立ち、夫婦で店を切り盛りしてきた中野社長のお母様。今は事務仕事を担い、店を支えている

事務所の壁には、「中野商事」の看板を掲げていた時代の店舗写真。色あせた写真が、地域と共に歩んできた歴史を物語る

事務所の壁には、「中野商事」の看板を掲げていた時代の店舗写真。色あせた写真が、地域と共に歩んできた歴史を物語る

中野商事が新たなスタートを切ったのは、義弘さんが跡を継ぐと決めて本州から実家に帰ってきたからでもあった。
「32歳でUターンするまでは、車の部品を作る会社で品質保証関係の仕事をしていました。従業員約3万人の企業の中では、自分は歯車の一つ。寝る時間も削って働くほど忙しかったので、『ここで一生働いていていいのかな』という思いがあって。男3人兄弟の長男だったのもありますが」

中野社長のおだやかで誠実な人柄が表れているような、アットホームな雰囲気の店内

中野社長のおだやかで誠実な人柄が表れているような、アットホームな雰囲気の店内

技術畑から販売の仕事へ。180度違う仕事に戸惑いはなかったのだろうか。
「違和感はなかったですね。昔の店舗は今の半分くらいの規模で、2階が自宅。子どもの時は店が遊び場だったし、親父やおふくろが店で接客するのを、どこかで聞いていたからかもしれません」

平成20年に3代目として経営のバトンを受け取った。
従業員は富良野店が5人、芦別店に2人。ファミリー的な企業だけに、従業員の子どもの行事には休めるよう融通するなど、働きやすい環境を整えている。

7WEB

社長が「お客さんに可愛がられるキャラクター」という林さん(右)。「そこが林のいいところ。ほかの人にはない個性を持ってる」

とはいえ競争の厳しいこの業界。これからどんな店づくりを考えているのだろう。
「我々のメインのお客さんは年配の方。商品の販売から、配送、設置、取り扱い説明をして、使い始めて分からないことがあれば教えに行く。フルサービスに特化した商売で、何でも頼ってもらえる店を目指しています。将来的には、家電以外の家の困りごとにも相談に乗っていきたい」

例えば、家の外壁が古くなったと聞けば、会社のルートで業者を紹介するといった橋渡しをしたいと考えている。
「マツヤさんに相談すれば色々やってくれるから安心、と言われる存在になりたいですね」
従業員にも、困りごとはないか、欲しいものはないかと、お客さんの“調子伺い”に行くよう促しているという。

入社6年目の林さんは、社内のムードメーカー的存在。家では3歳の娘さんとの時間を大切にする良きお父さんだ。間もなくもう1人家族が増える

入社6年目の林さんは、社内のムードメーカー的存在。家では3歳の娘さんとの時間を大切にする良きお父さんだ。間もなくもう1人家族が増える

こうして従業員一人ひとりが地道にお客さんとの信頼関係を築き上げてきた。なかでも社長曰く「お客様から可愛がられるキャラクターNo.1」が、社内最年少、29歳の林明秀さんだ。

人当たりが柔かく優しそうな雰囲気。飾らない言葉でテンポよく話す感じが好印象だ。
「一番楽しいのはお客さんと話している時ですね。旅行のお土産をもらったり、晩ご飯に誘われたり。仕事の話より世間話の方が多いんですけど、声をかけていただけるのはありがたいですね」

売上に貢献できているかといえば、「まだまだ」と苦笑い。
「社内でもお客さんからも、しょっちゅう怒られています。僕は結婚を機に初めて就職したのがこの店なのですが、最初は敬語もろくに使えなくて。社長には社会人として育ててもらった恩返しがしたい。会社にもお客さんにも勉強させてもらってばかりです」

「配送の仕事も多いです。大きい冷蔵庫だと120~130kgくらいあるので頼りにされています。占冠や日高も配達圏内です」

売場ではオーディオを担当。「まったく未知の世界だった」が、入社してからかなり詳しくなり、今では自信を持って説明している。配送の仕事も多く、占冠や日高まで車を走らせることもめずらしくない

初めて就職した会社がマツヤデンキという林さん。社会人にとって必要な敬語や常識をイチから教えてくれたのは中野社長だ。

初めて就職した会社がマツヤデンキという林さん。社会人にとって必要な敬語や常識をイチから教えてくれたのは中野社長だ。

仕事は販売と配送が約半々。今の仕事に就くまでは、テレビは買ってきて電源を入れればつくと思っていたし、洗濯機の使い方さえ知らなかったのだそう。
「最初は配達や工事は先輩と一緒でしたが、しばらくして一人で行くことになった時は自信がなくて。今思えば簡単な作業なんですけどね」
大変な時期もあったけれど、興味を持って取り組んでいるせいか毎日が楽しいという。

休みの日には別の街の量販店に行き、接客の仕方を参考にすることも。ところがマネをしただけではうまくいかない。売ろうと気負うと顔に出る。
「だから僕の場合は、まずはお客さんとの関係を作っていくことを頑張りたい」

商品の勉強に余念がない副店長の太田さん。「お客さんに感謝されること、頼ってもらえることが励みになります」

商品の勉強に余念がない副店長の太田さん。「お客さんに感謝されること、頼ってもらえることが励みになります」

そんな林さんが、「常に前向きだし、自信を持って接客している」と尊敬する先輩の一人が、副店長の太田善友さん。19歳で入社し、家電一筋18年。商品知識の豊富さで、社長からも一目置かれる存在だ。

「もともと家電が好きでしたし、小さいころからまちの電気屋さんに憧れていたので、求人を見て『ここだ』と思いました」

好きとは言っても、最初は素人。先輩の接客をこっそり見聞きして、販売の仕事を覚えていった。
「覚えるのは全然苦じゃなかったですね。ただ、家電は商品の入れ替わりが激しいので、常に勉強し続けなければならないのが大変。お客さんに聞かれて、知らないとは言えませんから」

数ある取り扱い商品の中でも、一番の得意分野はパソコン。「操作方法が分からない」など、さまざまな相談にも丁寧に対応する

数ある取り扱い商品の中でも、一番の得意分野はパソコン。「操作方法が分からない」など、さまざまな相談にも丁寧に対応する

会社では試験費用を負担し、従業員に家電アドバイザーの資格取得を勧めている。太田さんが持つのは、AV家電と白モノ家電、両方の資格の一段上にある、家電製品総合アドバイザーの資格だ。5年毎に更新を迎えるため、一度取得しても気が抜けない。

販売は店で扱う全商品が対象だが、管理する持ち場はパソコン、電話機、デジカメと、ドライヤーなどの理美容関係。特にパソコンは個人的に自作もするほど詳しく、社内でも頼りにされている。

そんな頼もしい太田さんにも、難しいと感じることがある。
「専門的なカタカナ用語を使わず、いかにお客さんに伝わりやすいよう商品説明するか。これが一番難しいところです」

社長も言う。
「カタログに並んでいるような専門用語を浴びせられたら、分からないお客さんは気持ちがなえてしまいますよね。年配のお客さんはなおさらです。必ず分かりやすい言葉で説明するよう、皆に言い続けているんですよ」
商品のことをきちんと理解していない限り、言い換えはできない。会話力もかなり鍛えられそうだ。

2階の事務所奥の休憩室は、昼食やミーティングに使用。「太田さんの昼ご飯は、いつも愛妻弁当なんですよ」と林さん

2階の事務所奥の休憩室は、昼食やミーティングに使用。「太田さんの昼ご飯は、いつも愛妻弁当なんですよ」と林さん

再び太田さん。
「うちはお客様との距離が近いので、従業員指名で来る方がほとんど。新人だと、新しいお客様に顔を覚えてもらうところから始まるので大変ですが、その分、指名してまた来ていただけるとうれしいし、励みになります」
利用する側も、店に行けばいつも同じ人が相談に乗ってくれるという安心感は大きい。

「なかには、『テレビ番組の録画の仕方が分かんないから、ちょっと家に来て録画して』なんてこともあります。でも状況が許す限り、応えるのがうちの会社。長いお付き合いは、そうやって続くものだと思うんです」

売場ではオーティオを担当。「まったく未知の世界だった」が、入社してからかなり詳しくなり、今では自信を持って説明している

お互いサポートし合い、連携を取ることで、よりスムーズに仕事が進む。気持ちよく仕事ができれば、お客様にも笑顔で対応ができる

プライベートの話を伺うと、3人とも笑顔になったのが印象的。ご家族との時間を大切にしていたり、趣味を満喫していたり。オンとオフの時間をきちんと切り替えながら、イキイキと働けるアットホームな職場。地域に愛され続けるお店は、社員を大切にしているお店でもあった。

企業概要

企業名 マツヤデンキ富良野店(中野商事株式会社)
所在地 〒076-0021 北海道富良野市緑町1番17号
電話番号 0167-23-3145
FAX 0167-23-3146
メールアドレス
ホームページ http://www.matsuyadenki.jp/store/id9935.html
設立 1934年1月
事業内容 家電製品の販売