ふらの農業のために、できること
生産者、消費者の生の声から、必要なコト・モノを創造
農業という産業と農家の暮らしを、あらゆる面からバックアップする JAふらの
夏暑く冬寒いという気候だからこそ、生育時期に昼夜の寒暖の差が生まれ、糖度が上がり、おいしく育つ野菜や米、麦。
“JAふらの”の名で親しまれる、ふらの農業協同組合は、畜産を含めて幅広く北海道の食料基地として発展する富良野を縁の下で支えてきた。
JAふらのがカバーするのは、上富良野町、中富良野町、富良野市、南富良野町、占冠村の1市3町1村。
計22,200ヘクタールに及ぶ農用地で一生懸命に汗を流し、おいしい食材を提供しようと頑張っている生産者たちを、
金融から営農指導、販売、加工、生産、資材や農業機械と、あらゆる面からバックアップしている。
ふらの産玉ねぎの主力は、硫化アリルという天然成分を多く含む、日持ちの良い品種。ふらの玉ねぎの深い味わいを、ソース、ドレッシング、カレーなどの加工食品で手軽に入手できる
富良野の人気スポット「フラノマルシェ」で、農産物や加工品を販売するJAふらの直営ショップ「オガール」。
2021年からオガールで勤める中農一輝さんは、出身地の旭川から大学生活を過ごした札幌を経て、2019年に職員となった。
質問のひとつひとつに丁寧に答える姿勢は、農産物への向き合い方と通じる。
「都会よりも田舎が大好きで、その中でも幼いころからよく家族と遊びにきていた富良野に住みたかったんです。」と中農さん。
就職活動中にたまたま参加した合同説明会でJAふらのと出会う。道内No1のJAを目指す志、規模の大きさ、そして農業者のために尽くす姿勢に魅力を感じJAふらのの門を叩いた。
JA直売店「オガール」には、道内・道外・外国からもたくさんの観光客が訪れる
憧れの町に住むことになった中農さん。
四季がはっきりしているこの土地をえらく気に入ってる。夏は暑く、冬は寒いが季節に応じた楽しみがある。
趣味はゴルフ、食べ歩きと、プライベートも楽しんでいる様子だ。
寒暖の差が激しい気候だからこそ、農作物がおいしく育つ富良野。農家の努力で新品種や、より美味な野菜も登場
JAふらのに入って最初に配属された部門は青果2課だった。
こちらの部門はふらので収穫された青果物を市場を経由して地元北海道はもとより、全国各地のスーパーや小売店等に届けている。
「入組して1年目は業務の事はもちろんのこと、社会人としての礼儀作法、言葉遣いなどわからないことが多すぎて戸惑っていました。ただ、周りの先輩のフォローやアドバイスがあって乗り切ることができました」
と常に周りの方々への感謝の言葉を口にしていた。
お客様に商品を手に取ってもらうべく配置にも日頃から気にかけている。
担当していた品目はいちご、ゆり根、かぼちゃ、ミニトマト、スイートコーンなど多くの青果物の取り扱いをしていた。
「多くの生産者の方々とつながりができ、業務が大変でも労いの声をたくさんかけてくれるのでつらいことがあっても乗り切ることができました。その恩を返すために業務に取り組んでいます」
JAの職員として生産者のために尽くして共に成長していきたいと熱い思いを持っている。
「ふらのらしさ」が詰まった加工品が、一年を通して並ぶ
次に配属されたのが現在勤めているJAふらの直売店「オガール」だ。
主な業務として青果物や加工品の発送業務、ふるさと納税対応、電話注文と多岐にわたる。
また店頭に出て来店してくれたお客様とのコミュニケーションも大切にしている。
野菜に関する知識は異動前に経験した知識が活き、より深く富良野の青果物の魅力を伝えることができている
「このお店は道内だけではなく全国、海外から人が集まってきています。お客様の喜ぶ声を直接聞くことができ、ファンになっていただけることにやりがいを感じております」
従業員とのコミュニケーションを大切にしている。中農さんはパートの方に可愛がられている様子を伺える。
お客様と触れ合うことで自分の成長に繋がる。
そして、自分が成長することでJAふらのが発展していくことを信じており毎日を大切に過ごしている
今後の目標としては店舗の全員で力を合わせて、
オガールをJAふらのの情報発信基地にしたいと考え行動している。
さまざまな加工品開発も。付加価値がつくことで、「ふらの」の食料基地としての価値も上がる
目下の取り組みとしてはふるさと納税への取り組み。富良野で収穫されたメロンや加工品を全国へ発送している。
返礼品の発送件数が1万件以上と多くの消費者に届けられている。
季節によって陳列される商品が変わるので新たな発見ができるのも楽しみの一つだ。
2011年に入組した辻村良子さんは農家に生まれ、
両親の苦労を間近に見てきたことから
「農家を支えたい」
と、JAふらのに入った。
配属されたのは、車検や修理など農家で使う自動車に関連した部署。
高校時代はバスケット部のキャプテンを務め、今も社会人チームでプレーしている。
今では笑顔でお客さんに応対。テクニカルな用語もパーフェクトにこなす辻村さん
「免許は持っていたけれど、車のことは全然分からなくて。
書類を見ても?マークが飛ぶばかり。
先輩たちからは『ミスをするのは当たり前』と温かい言葉をかけられましたが、
ミスが続くとやっぱり悔しかったですね」
年1回、平日5日間の休みを取る制度「L休」を利用し、道外への旅行も楽しんでいる
最初のうちは「先輩に聞いてばかりで、自分で解決しようとしていなかった」と振り返る辻村さん。
自分で考えて調べたり行動するようになってから、やりがいを感じてきたという。
新車・中古車探しから車検、修理まで、車のことなら何でもおまかせの JAの自動車関連事業「アロック」
「2〜3年はメモを取りまくってました。
今は、お客さんに聞かれたことにもきちんと答えられるし、
工場から回ってきた記録簿に抜けがあると指摘できるようになったので、
成長したかなと思います」
大きな組織を支える一人ひとりが、お互いを尊重し、それぞれの役割を果たす
JAふらのの 植﨑博行組合長は「JA職員の第一歩は、農業の現場を自分の目で見て、聞いて、知ること」と話す。
特に新卒で入った職員には、農協がどういう組織なのかを肌で感じるためにも、1〜2年は組合員である農家と現場で直に接してほしいという。
「組合員が求めているものは何か。
できる・できないを考える前に、まずそこをしっかり掴まなければJA職員の仕事は始まりません。
組合員が一生懸命に汗を流している姿を見たら、自分も汗を流して組合員の要望を肌で感じないと。
机に向かって座ってるだけじゃダメなんです」
「いろいろな能力を生かして、組織の活性化につなげたいですね」と 植﨑組合長
自らも東京の大学を卒業後、実家に戻って23歳で就農。息子に代を譲るまで農業に従事していた。
だから思う。
「農業は、汗して努力しないと成功しない産業だ」と。
そして
「熱心な農家は必ず成功する。
JA職員も同じで、努力して頑張っていることは周りにも伝わるから、まずは一生懸命にやりなさい」
そう職員に伝えている。
「家庭は大事。今までに何組かのご縁を結んでますよ」。時にはキューピッド役もこなす気さくな組合長
もう一つ、職員によく言うのは「家庭を大事にしなさい」ということだ。
家庭の安定は、仕事の安定。
植﨑組合長自身は、母、妻、息子夫婦と孫2人の4世代7人家族。
お孫さんの話になると「かわいいねぇ」と目尻が下がる。
信頼する部下へのまなざし、そして言葉のひとつひとつに、愛情と期待が込められている
金融から販売、自動車まで、守備範囲は広いがJAふらのが向かう道は一つ。
農家の気持ちに応え、ふらの農業の発展に力を尽くすこと。
全道No.1の生産地を目指して、それぞれの部署で「自分ができること」を探し、一生懸命に取り組んでいる。