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家族との時間を大切にできる仕事

家庭と仕事を上手に両立

農業系の企業に勤める夫と小学6年の長男、6歳の長女、愛猫と暮らす西脇さんは、ヤクルトレディを8年間勤めるベテラン。製品を詰めた大きな保冷バッグ3~6個を自転車に積み、配達に出掛けます。その日の配達が済めば、終業時間は自由。土日・祝日は休みで、学校行事などで休みを取ることも可能です。子どもが熱を出した時など急な欠勤にも事業所や仲間が対応してくれ、「家庭と仕事のバランスを考えて働ける、ママに優しい職場」だそうです。

製品の普及活動もヤクルトレディの仕事。お客様に立て続けに断られると長年働いていても落ち込むこともあります。そんな時は仲間に話して気分転換。「仲間は私と年齢が近くて、小さい子どもがいるママ。仕事はもちろん家庭や育児について相談したり、愚痴を聞いてもらったりしています」と、プライベートでも仲が良い仲間の存在は大きいようです。お客様との会話で励まされることも多く、「お勧めした製品を購入したお客様から、『体調が良くなった』と喜んでもらえた時は、とてもうれしいですね。また頑張ろうと思えます」。

ヤクルト富良野センター
西脇 歩さん(34歳)

南富良野町出身。北海道富良野緑峰高等学校園芸科学科を卒業後、就職した企業を結婚を機に退職。長男が3歳の時にヤクルトレディとして働き始め、現在8年目(1年産休を取得)。個人宅と企業を合わせて約100軒を担当しています。

何度か通ううちにお客さんの好みが分かってくるのだとか。配達に出かける前、何人ものお客さんの顔を思い浮かべながら商品の準備をします。

働くことがストレス解消に

長男の入園を機にヤクルトレディとして働き始めた西脇さんは、2人目の出産時に1年間の産休を取得。会社の「保育料助成制度」を活用して子どもを保育所に預け、職場に復帰しました。子どもが大きくなっても、出勤前は化粧をしながらマイペースな娘に幼稚園の準備をさせるなど朝からバタバタ。それでも仕事を続ける理由の一つに、「子どもや家庭と離れる時間が少しでもあると、家事のストレスが軽減するんです」と話します。仕事を頑張った分、休日は子どもの要望を叶える日。平日にできなかった家事をこなした後、子どもと目一杯遊ぶなど、家庭の時間をより大切にできるそう。仕事と家事の両立は難しいですが、「働きながら家族の都合に合わせて家事をするのは大変。毎日の食事時間など家事は私のペースに任せてくれているので、助かっています」と、家族みんなが西脇さんの仕事を理解しています。家族や仲間、お客さんの支えがあって、西脇さんは忙しくも充実した日々を送っています。

6歳の長女はお母さんの職場で過ごすのが大好き。幼稚園から帰ると、オフィスの広々としたテーブルでお絵描きをしたり、近くの公園で遊ぶことも。

職場には同世代の子育てママが何人もいて、和気あいあいとした雰囲気。学校行事や子供が急病のときにサポートし合えることも、長く仕事を続けられる大きな理由です。

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子供の成長と共に仕事もスキルアップ

ママでも働きやすい職場

ふらのタクシーの介護事業「介護相談センターポピー」。昨年入社した介護支援専門員(ケアマネジャー)の中田優未さんは、小学1年の娘・一花ちゃんを育てながらフルタイムで働くシングルマザーです。農業を営む実家で両親と共に暮らしていますが、農繁期は“10分でも惜しい”ほど忙しく、できる限り迷惑を掛けないように働いています。

中田さんの勤務は月23日間、8時半~17時半が基本。介護の仕事は利用者が第一なので土日は関係ありませんが、「状況に応じて勤務日を調整でき、学校行事などに参加しやすく助かっています」と話します。娘が急病で休まなくてはならない時は、他のスタッフが快く業務をフォロー。職場の雰囲気も明るく、ここでの介護の仕事はママも働きやすいそうです。

介護相談センターポピー
中田 優未さん(33歳)

富良野市出身、北海道南富良野高等学校卒業。介護福祉士として富良野市内の老健施設やデイケアセンターに就職。産後1年で再び働き始め、キャリアは10年以上。昨年からは現在の職場でケアマネジャーとして活躍しています。

毎月中旬から下旬の訪問では、世間話をしながら利用者の様子を聞きます。利用者に寄りそった提案をするために家族から話しを聞くことも。

仕事は人生の先輩との出会い

中田さんは介護福祉士として10年以上、富良野市内のデイサービスなどで利用者の身の回りの世話をしてきました。昨年、ケアマネジャーに転職してからは、事務所で介護プランを作成し、月1回の要介護者を訪問して健康確認やその家族のケアなどを担当。現場での経験を生かして「よりよい生活のお手伝いがしたい」と、介護する人、される人の暮らしを設計しています。

一生懸命考えたプランを受け入れてもらえないことは多々あります。しかし「価値観は人それぞれ。納得してもらえるプランを」と前を向きます。「気を遣う仕事ですが、利用者さんはみんな優しくてストレスはないです。私のことを孫のように可愛がってくれて、私が人生相談しちゃうこともあるんです」と、利用者との触れ合いを楽しそうに話してくれました。

子育てと仕事を両立した7年間は忙しく、「あっという間」と中田さん。子供の成長と共に中田さん自身もスキルアップを続け、働く女性として大きく羽ばたいています。

オフィスに戻ると、介護プランを作成するなどデスクワークもたくさん。同僚のスタッフと利用者の情報を共有したり、ご本人や家族から電話で相談を受けることもあります。

できる限り学童のお迎え時間までに退勤するように心がけているのだそう。学校であった話しなどを聞きながら仲良く一緒に帰宅する時間も親子にとって大切なひとときです。

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子育てをしながらホテル勤務ママ目線での気配りも

働き方改革が進むホテル業界

フルタイム勤務と育児の両立が、大変そうに見えるホテル業界。産休・育休を挟んでフロントを担当する菊地由香さんも、以前は「女性社員は結婚したら退職するもの」という感覚だったそうです。考えが変わったきっかけは、勤め先のホテルグループ全体で多様な働き方ができる環境づくりが進んできたこと。子育てをしながら先輩女性社員が仕事を続ける姿を目にして、自分も慣れ親しんだ職場で頑張りたいと思うようになりました。

接客部門で仕事と育児を両立

「もし子育てしながら働くのが難しそうだと感じるときが来たら、そのときに考えよう。やりたいことを無理だと決めつけず、柔軟にやっていこう」。職場に復帰するとき、社内で事務職に移る選択肢もありましたが、もともと接客が好きでホテルに就職した菊地さんは、フロントに留まる道を選びました。勤務はシフト制ではなく、定時に出勤するスタイルになり、同じ部署の仲間たちが「保育園のお迎えがあるでしょう」と退勤時間に気を遣ってくれることがとてもありがたく、働きやすい職場だと感じています。

新富良野プリンスホテル
菊地 由香さん

旭川市出身。専門学校のブライダル学科を卒業し、新富良野プリンスホテルに入社。レストラン、ブライダル、フロントで経験を積み、勤続12年目。

育休明けと同時に、産休に入る前と同じフロント業務に復帰。産休後はシフト制ではなくなり、午前9時~午後5時の8時間勤務に。

自分の体験が活かせる喜びも

自分自身がママになったことで、家族連れのゲストに対して、よりきめ細かな対応ができるようになってきたという菊地さん。「小さなお子さまから目を離せない方には、館内の説明を要点に絞ったり、敷地内のアクティビティ施設や、近くの公園をご紹介したり。さらにお客さまに寄り添った接客ができるようになりたいです」。将来、後輩たちが家庭を持ったじとき、子育て中の女性もホテルで働き続けられるのが当たり前になるようにと、今の自分にできることを大切に今日も笑顔でフロントに立っています。

休日は同じホテルに勤める夫の徳さん、長男の海李くんと自宅近くの公園へ。「富良野は自然豊かでのびのびと子育てが出来るところです」

お帰りのお客さまをホテルエントランス前でお見送り。おもてなしの締めくくりも笑顔で。ホテルに勤務して11年となる今、接客業にますますやりがいを感じている。