グラス・フォレストin富良野

【所在地】富良野市麓郷市街地3番地【TEL】0167-39-9088 【事業内容】ガラス工芸品の製造・販売

最終更新日:2021年3月29日

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四季とともに成長を重ねるガラス工房

作る喜びと笑顔をもらう喜びを感じて

1号から7号館まであり、制作体験やお土産選びで、半日たっぷり楽しめる店舗併設型のガラス工房

ドラマ「北の国から」のロケ地として知られる富良野市麓郷は、国内外から年間20万人が訪れる北海道有数の観光地だ。豊かな自然に囲まれたこの地区に、ガラス工房「グラス・フォレストin富良野」が誕生したのは、2005年7月のこと。

シーズンごとに季節感豊かな陳列を工夫し、夢いっぱいの世界を演出。何度訪れても飽きさせない工夫をしている

ショップには形も色もさまざまなガラス製品が並び、初夏から秋にかけては例年、1日平均100組もの利用客が訪れる人気スポットに成長した。吹きガラスや、とんぼ玉作りなどの制作体験も評判だ。

ふらのワインと富良野生まれのワイングラスのセットをギフトに

名物は膨張率が異なるガラスを3層に重ね、繊細なひび割れをダイヤモンドダストの輝きに見立てた「しばれ硝子」シリーズ。北国の光を封じ込めたような涼しげな輝きが人気を集め、2008年の北海道洞爺湖サミットでは、各国首脳に北海道みやげとして贈られた。ひび割れが年々増えていく性質が、「日々成長する」につながり縁起がいいと、大切な人へのギフトにも喜ばれている。

店舗の立ち上げ当時から、富良野でガラスの魅力を広めてきた田口店長

店長の田口航さん(34歳)は、上富良野町出身。小樽市にある姉妹店が、大自然の中でガラスの魅力に触れられる場を作ろうと麓郷に出店を決めた時、たまたま富良野で仕事を探していた。

工房と店舗の立ち上げのために、富良野とは160km以上離れた小樽から通ってくる姉妹店のスタッフたち。彼らから伝わったガラスに賭ける熱い思いは、今も田口さんの中に息づいている。

田口さんの担当業務は、店舗に関わること全て。商品の陳列、在庫管理、清掃、事務、人事など、技術的なことも運営面のことも、何でも手がける万能選手だ。

店舗の繁忙期は初夏から秋の約半年間。冬期はその年の売れ筋の分析や、新商品の企画などを進め、翌シーズンに備える

一番重要な仕事は、7人の店舗スタッフそれぞれの「こんな製品があったらいいな」「こんな企画をやりたい」という希望を、一つ一つ形にできるようにサポートすること。

「四季の彩りとガラスが一つになった空間で、自分の中で生まれたイメージが形になるのは、何よりうれしいこと。一人ひとりの思いやアイデアを仕事の力に変えてもらうのは、店長である自分の役割です」。

そして、春夏秋冬がはっきりした富良野では、ガラス工房も農家と同じように、四季折々の仕事があるという。

ラベンダー畑が一面紫に染まる初夏から、実りの季節を迎えた田園風景が美しい秋までは、毎日大勢のお客さんが訪れ、接客に全力を尽くす。雪に包まれ、麓郷全体が静かに眠っているような冬には、次の1年に何をするかをじっくり考える。

今年はどういう商品が喜ばれていたか。来年求められるアイテムは何か。スタッフみんなで知恵を寄せ合い、新しい商品を作って、翌年の夏に備えるのだ。

薄いガラスを小さく割り、パッチワークのように貼り合わせた「クリスタルコラージュ」

田口さん自身が最近アイデアを出し、店頭で「かわいい」と評判なのは、〝雪の天使〟と呼ばれる野鳥のシマエナガをモチーフにした壁飾りだ。

色とりどりの薄いガラスを小さく割り、パッチワークのように組み合わせて貼り絵にする「クリスタルコラージュ」の1点もの。道外の作家さんにお願いして、北海道の鳥を描いてもらった。

より楽しく、より喜ばれる店づくりのため、和気あいあいと意見を交換する

「麓郷は地理的に、どこかへ向かう途中にふらっと立ち寄る場所ではありません。道の先は何もない環境で、ここを目的地としてわざわざ来てくださる方たちに、制作体験やお土産選びをたっぷり楽しんでもらえたら」と、穏やかに語る田口さん。周辺のふらのジャム園や富良野オルゴール堂、地域の人たちとも力を合わせ、麓郷をさらに盛り上げようと頑張っている。

一緒に働く仲間を新たに募集するとしたら、条件は「物づくりに喜びを感じる人か、人を喜ばせるのが好きな人。両方好きな人なら最高ですね」と田口さんは笑う。

作る喜びと、笑顔に励まされる喜びと。触るとひんやり冷たいガラスの中に、たくさんの温かな喜びが詰まっている。

制作体験の指導も担当する横田さん。今は板ガラスを電気炉で溶かす技法「フュージング」を勉強中

勤続12年の横田久美さん(32歳)は、店長と同じ上富良野町生まれ。小学校の修学旅行で小樽のガラス工房を訪れ、ガラスの表面に機械で砂を吹き付けて模様を描く「サンドブラスト」を体験してから、ガラスに興味を持っていた。

ずっと物づくりが好きで、高校時代は大学で建築を学びたいと考えていた横田さんだったが、浪人生活を経て、就職の道へ進路を変更することに。新しい夢を追うことができる職場を探していた時、ガラスが好きな気持ちを思い出した。

カラフルなアクセサリーコーナー。商品の魅力が伝わるディスプレイを何よりも心がけている

ガラス工房の販売部門に入社し、最初に配属されたのはアクセサリー専門の3号館。とんぼ玉やクリスタルガラスなどを生かした個性豊かなペンダントやイヤリング、ネクタイピンなどが並ぶ店頭で、宝探しのように買い物を楽しむお客さんたちに応対するうちに、販売の面白さに目覚めた。

「接客の仕事が好きなんです。目移りして迷っているお客様から、その人が欲している物を会話で引き出して、お薦めの商品をご提案して、納得してもらうのが私の仕事。毎日お客様に勉強させていただいています」と目を輝かせる。

タンブラー、ジョッキ、マグとさまざまな形の「しばれ硝子」。温かみのあるクロスを使い冬の演出に

今は工房の看板シリーズの「しばれ硝子」を始めとする、大小さまざまな手作りグラスが並ぶ1号館の店頭に立つ。

贈り物にするのか、来客用か。それとも自分で日常使いしたいのか。晩酌の習慣があるお客さんなら、お好きなのはウイスキーか日本酒か。一人ひとりのお客さんが、ガラスと一緒に幸せな思い出を持って帰れるように、知識と経験と想像力をフル回転させる。そこが対面販売のプロの腕の見せどころだ。

「お客様が楽しんでくれたと実感できた時が一番楽しい」と笑う横田さん

「お買い物をした方が、帰り際にもう一度『ありがとう』と声をかけてくださると、楽しんでいただけたんだなぁって思えて、私も楽しくなるんです」。お客さんに笑顔を向けられた時の達成感が、横田さんが仕事に向き合うモチベーションを高めてくれている。

店舗に隣接した工房で働く職人さんたちは、買い物客と直接顔を合わせて話す機会がない。製造部門の目となり、耳となって、商品開発のヒントを探るのも、接客チームの大切な業務だ。

カッティングが美しい「八千代切子」のタンブラー。和ガラスの酒器を使うシーンをイメージできるよう焼酎のボトルも並べてディスプレイ

「大人の男性に喜ばれそうな、ちょっと渋めの色合いのグラスを増やしてほしい」「お客様が、こんなのがあったらいいなって話していた」。今は何が話題なのか、これからは何が求められるのか、情報を共有して工房の製造プランに役立てる。

遠方からの旅行客は、一期一会の心でおもてなしを。毎月必ず来てくれる地元のリピーターさんには、訪れる度に新鮮なときめきを感じてもらうための気配りを。お祝い事のギフトを選びたい人も、ふらっと遊びに来る人も満足してくれるようにと、季節感豊かなディスプレイやラッピング、イベントにも力を入れている。

富良野の花畑のようにカラフルなガラス棒は、とんぼ玉の材料になる

とんぼ玉作り体験を指導。ガラスは急に温めると割れるので、扱いに注意をしながらゆっくりと進める

販売や商品開発、店頭の整備だけでなく、発注や制作体験の指導まで、横田さんの仕事は幅広い。体験工房では、横田さん自身がガラスに関心を抱くきっかけになったサンドブラストや、ガラスのミニチュアを組み合わせてジオラマ風に仕上げるジェルキャンドル、ミニチュアドーム作りなど、何種類ものプログラムが用意されている。

色ガラスに雲母(うんも)をまぶし、透明なガラスで包む。もう少しで、とんぼ玉の完成だ

完成したとんぼ玉に好みのパーツを組み合わせ、世界で一つだけの富良野土産に

体験工房の利用客は、目的も年齢もさまざまだ。冬休みや夏休みの自由研究のために制作体験にやって来る小学生もいれば、生まれて初めてとんぼ玉作りに挑戦し、まばたきをするのも忘れるほど熱中する大人もいる。みんなにガラスの美しさ、面白さをもっともっと知ってほしい。それが制作体験指導係としての横田さんの願いだ。

2号館担当の萱原さんは入社して3年。新製品の開発にも積極的に関わる

萱原民恵さん(21歳)は、店舗の販売スタッフになって3年。一般的な企業なら、まだまだ新人と呼ばれる勤続年数でも、接客から商品の陳列、新商品のアイデア出しまで真剣に取り組み、愛される店づくりのために頑張っている。

手作りガラスの1号館で経験を積み始め、今はメルヘンの世界をイメージした2号館を担当。陳列棚には500種類以上のガラスのマスコットや、重厚な干支の置物、花びんなどがそろう。動物や魚、人形、スイーツなどをかたどった、かわいらしいミニチュアが並び、ファミリー層や若いお客さんに人気が高い。

北国らしいガラスの雪だるま。四季折々のモチーフで作られたアイテムがずらりと並ぶ

指先に載るほど小さな商品が多いだけに、陳列の取り扱いには気を使う。

「最初は売り場のお掃除をするだけで、ガラスを割ったらどうしようってドキドキしました。朝、うっかり壊してしまった日は、もう1日中テンションが下がってしまって」と、新人時代を振り返って萱原さんは苦笑する。

ガラスは割れるもの。弱くてもろく、はかない存在だからこそ大切に扱いたい。それは店舗の萱原さんたちと、お客さんたちの両方に共通する気持ちだ。

「無事に持って帰ってもらえますように」と、心をこめて包装した商品を、お客さんがキャリーケースとは別に、手荷物として大切に胸に抱えて帰っていく。そんな後ろ姿を見送る時、萱原さんの胸もふんわりと温かくなる。

2号館では1,000種類以上のアイテムを展示販売。組み合わせや見せ方の工夫も腕の見せどころ

お客さんたちの声からニーズを探り、工房の職人さんたちに伝えた要望から、人気商品も生まれた。

店頭で「『しばれ硝子』を富良野みやげに買いたいんだけど、お値段が……」という声を耳にし、イメージが似ていてリーズナブルな新商品の開発を提案。高温のガラスを急激に冷やし、細かいひび割れを入れる「アイスクラック」という技法を取り入れた小さな一輪挿しを置けることになった。色のバリエーションも豊富で、今や花びん部門の人気No.1アイテムだ。

樹氷に見立てた白い樹のオブジェを中心に、お正月やクリスマスなど冬のアイテムをディスプレイ

新しい製品を企画するだけでなく、「今ある商品をどう見せるか」も2号館の課題。小樽の姉妹店が用意してくれる演出用の小道具も活用し、ガラスで夢いっぱいの情景を作り出す。ミニチュアの生き物たちが集まる海の家や、お正月の鏡餅風にミカンを頭に載せた白いシマエナガなど、絵本のような世界を目にすると、お客さんたちがみんな幸せそうにほほえむ。その優しい表情は何よりのごほうびだ。

ミニチュアは海外のガラス工房に発注するため、流行やお客さんの希望を即座に反映させられない。翌年や数年後のニーズを先読みし、デザインやサイズを検討した上で商品化する。

左から横田さん、田口さん、萱原さん、吉田さん。お客さんの笑顔をエネルギーにして、力を合わせ頑張る仲間たちだ

「新商品を企画する時も、ストックをどれだけ準備すればいいか考える時も、お客様と製造の現場を結ぶパイプ役になれるのは、私たち販売スタッフ。いろいろな発見や、スタッフ同士の連携を大切にして、より喜ばれる商品を作っていきたいです」。

店舗は1号館から7号館まであり、アクセサリーの3号館や、国内外の有名メーカーの製品をそろえた5号館などは、萱原さんはまだ受け持ったことがない。さらに経験を積んで、新しい発見をしていきたいと、夢は広がるばかりだ。

企業概要

企業名 グラス・フォレストin富良野
設立年月日 2005年7月1日
業種・職種 販売・サービス(販売員)
業務内容 ガラス工芸品の製造・販売
勤務時間(一例) 9:00〜18:00
給与(一例) 200,000円〜200,000円
諸手当 通勤手当(上限13,500円/月)
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若いスタッフが活躍できるお店です。
自ら考え、お店作りに反映させるので、やりがいがあります。

電話番号 0167-39-9088
FAX 0167-39-9216
ホームページ https://furano-glass.jimdofree.com
所在地 〒076-0161 富良野市麓郷市街地3番地

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